30代の大腿骨頸部骨折日記

実際にけがをした人からリクエストがあり、閉鎖したブログのうち、大腿骨頸部骨折に関する記事だけ復活させます

30代の大腿骨頸部骨折記録①〜最初の骨折〜

2017年4月5日、36歳の時に大腿骨頸部不全骨折を起こし、その後4月17日の診断で頸部完全骨折、転位が認められました。

すぐに全身麻酔による手術をしましたが、そもそも骨がつかない、ついても骨頭が壊死してしまう可能性があり、治る可能性は50%、治らない場合は、人工股関節置換術を行わざるを得ないという状況でした。結果として骨折は完治し、僕のレントゲンは珍しい症例として学会に提出されています。頸部骨折はその予後の悪さから「死の骨折」と言われていますが、300kgの圧力にも耐えると言われていることから、若年層での骨折はあまり見られません。

僕自身、若い人の骨折体験ブログに勇気付けられた事もあり、自分でも書いてみようと思いました。同じような境遇にいる人のお役に立てば幸いです。

 

4月5日 大腿骨頸部不全骨折判明まで

2017年3月28日、ジムのトレッドミルで走っていると、股関節に何となくの違和感を感じました。気にせず走っていたのですが、やはり痛いのでエアロバイクに切り替えて運動していたのです。その日の夜もまた走りに出かけたのですが、調子が悪くどんどん痛みが強くなる有様でした。3月30日に整形外科に行き、レントゲンをとったのですが、全くの異常なしで、おそらく筋肉痛だろうという診断で、ロキソニンテープを持たされて帰りました。

しかし、足は痛くなる一方でロキソニンを飲みながら歩いていたものの、ついに通勤途中に全く歩けなくなったので、タクシーで病院に行き、状況を訴えました。松葉杖を渡され、MRIを撮ったところ、大腿骨頸部不全骨折と診断されました。ランニングぐらいで折れる骨ではないから、なぜ折れたかよくわからないが、おそらく1ヶ月ぐらいで治るから、松葉杖を使って安静にしてくださいと言われました。他の病院にも念のためかかったのですが、同じ見解でした。折れるはずがないが、MRIを見たら確かに折れてるので頸部骨折なんだろうと。

とはいえ全くの原因不明の状況から原因が分かりホッとしました。これから仕事の繁忙期だったので不安でしたが、早く治して職場に迷惑をかけないようにしようと思っていました。この後あんな事になるとは想像もしていなかったのです。

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4月19日 完全骨折

相変わらず痛みは殆どマシになりませんでした。松葉杖にも慣れず、何度か派手に転んだりしました。松葉杖は両腕が塞がるので、雨が降った時には傘もさせないですし、通勤も大変でした。昼食はビュッフェ形式なのですが、自分で取ることができず、後輩に世話になるのも心苦しかっです。両手が塞がるのがこんなに不便な事とは思いませんでした。

ただ2週間ごろには少し痛みもマシになっていたので、19日の診断では松葉杖を片方取っていいか相談するつもりでした。

19日の診断は今でも忘れる事ができません。

レントゲンを撮って診察室に入ったところ、先生が青ざめた顔でレントゲンを呆然と見ていました。非常に緊迫した顔で先生が仰いました

医者「Mさん、これを見てください。完全に折れて転位しています。すぐに手術が必要です。」

M「は?手術? このズレた骨はどうなるんですか?」

医者「ズレた骨は戻りません。。基本的にこのままです。大学病院に紹介状を書きますので、骨をつなぐ手術にするか、人工股関節にするかは向こうの先生と相談してください。」

M「は?人工股関節?」

僕はこの時に待合室で途中まで読んでいた本を未だに読み返すことができません。当時のことを思い出して吐き気がしてしまうからです。