30代の大腿骨頸部骨折記録③〜K病院〜

J病院のS先生はとても有能そうですが、とにかく横柄でズケズケモノを言うオッサンでした。レントゲンを見るなり、「僕は頸部骨折は色んな事例を見てきているけど、これはもう無理ですね」とあっさり仰いました。僕は自分の身体の一部がこの若さで人工物に置き換わる事にどうしても抵抗感があり、人工股関節は避けたかったので、このコメントはショックでした。

しかし、この人は恐ろしく有能オーラが漂っており、言うことに説得力がありました。

S医師「このレントゲンを見てください。この左側が折れて完全にズレてるでしょう。残念ながらここにちょうど回旋大動脈が通っているから、ズレた時にこの大動脈が傷ついた可能性が高い。まずつかないし、ついても壊死する可能性が高い」

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S医師「てかさ、なんでそもそも免荷(体重をかけないこと)しなかったの?折れた骨に体重かけたら、ズレるに決まってんじゃん!」

M「いや、そんな指示はうけてないんです、、松葉杖渡されてこれで安静にしてくださいと言われただけで」

S医師「んなわけないでしょ!常識だよ」

M「本当に受けてないんです…」

S医師「とにかくさ、貴方がどうしても骨接合をやりたいと言うならやってもいい。でも俺は「負け戦」はしたくないんだよね。。僕は貴方が、どんな仕事をしているかは知らない。でも、これを骨接合で直すなら最低半年は松葉杖、ひょっとしたら1年間松葉杖もありえる。1年間リハビリをしながら仕事に集中できない状態を継続するロスも考えた方がいい。

人工股関節なら手術の翌日には全荷重でき、2週間後には歩行も可能だと思う。もうTHA(人工股関節置換術)でやっちゃった方がいいでしょう、ちゃちゃっと。」

S医師「これこのまま骨接合で無理やり繋いでも脚長差が出るよ。えっ1.6センチぐらいでしょって?1.6センチも脚長差が出てまともに歩けると思ってるのかよ!人工股関節は今は20年ぐらいと言われてるけど、最新のインプラントなら30年から40年、まだ実証データはないけど、一生持つ可能性だってあると思ってるよ、俺はね。いずれにせよ、急いで手術した方がいいよ。でもN病院で手術するんでしょ?」

M「いや、義父もこの病院で手術した事もあり、できればこの病院でお世話になりたいと思ってますが、混んでますよね、、あまり遅くなるようならN病院でと。。」

S医師の目が鋭く光りました。

S医師「何?ちょっと待って。貴方はうちで切る気があるの?そうなんだ。すぐ手配するからちょっと待ってよ。Nより早く切れるならいいんだよね?」

S医師は各所に電話をかけまくり、5日後の手術をあっという間に抑えました。

S医師「貴方を切るのは僕ではないよ。僕の予約は夏までいっぱいだからね。貴方の担当のO医師にさっきレントゲンを送って話してみたら、彼は骨接合がベストだって言うんだよ。わかんねーよなー、まぁ3日後に入院の手配をとるから、その時にどうするかO医師と相談してみてよ。」

医者同士で見解がわれているものを俺が決められるはずもないじゃん、、手術直前まで死ぬほど悩むことになりました。