30代の大腿骨頸部骨折日記

実際にけがをした人からリクエストがあり、閉鎖したブログのうち、大腿骨頸部骨折に関する記事だけ復活させます

30代の大腿骨頸部骨折日記15〜完治(ほぼ)

 

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今日でちょうど骨折をした日から2年になります。大腿骨頸部骨折は、血流が弱いため人体の中で最も骨癒合が得られにくく、かつ骨がついても、およそ1/3の確率で遅発性の骨頭壊死が起きる可能性のある厄介な骨折なのですが、骨頭壊死については2年経過すればほとんど大丈夫と言われています。人体の骨は大体2年間で入れ替わるようなので、今の骨は怪我の後に作られた骨であるからということです。

ちょうど昨日、2019年3月26日に診察を受けました。2年ギリギリになって壊死の兆候が発見される人もいるのでヒヤヒヤでした。前の患者が終わってもなかなか呼ばれず、骨のズレを指摘された時もこんな感じだったなと嫌な記憶が蘇ってきました。最近は喉元も過ぎて、別に人工股関節でも生活はできるし、そんなに大騒ぎする事もなかったなんて思っていたのですが、やはり突きつけられると嫌なものです。

レントゲンの結果は、完全にくっついており、壊死の兆候もなしとのことでした。

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先生は何度も何度も本当に人工股関節にしなくてよかったですねとおっしゃいました。先生と僕は同じ年のようなのですが、良くなってきたとはいえ、自分でもこの歳で人工股関節入れたくないと。それはそうです。人工股関節は脱臼リスクもあるし、数十年ごとに取り替えの手術が必要です。

あの時、リスクを取って荷重開始したのが良かったんですねとも。なかなか荷重を開始させてくれない先生を信じきれない事もありましたが、結果として治ったわけですし、今となってはいい思い出です。

先生に自分のレントゲンは学会に出したのか聞きました。研究学会には出したが、忙しくて論文はまだ書けていないと恥ずかしそうに笑いました。

そもそもこれはそんなに珍しい症例なのか聞くと、

「そんなにめちゃくちゃ珍しい症例ってわけでもない。でもこの骨折にはメッセージ性があるんですよ。若くても、1日30分程度の適度なスポーツ習慣でも、大腿骨頸部は折れることがある、また痛かったら早めにMRIを撮って免荷することが大事。貴方だって、免荷していれば、手術しないで済んだかもしれないんですからね!」

そうでした。そう思ってこの一連の記事を書いたのでした。同じような思いをする人が少しでも減るように、同じ怪我をした人が少しでも参考になるように。

今回の怪我からは様々な教訓が得られました。免荷しなかったのは医者の指示がなかったからですが、今となってはそれも言い訳だと考えています。その辺は次回以降に書きたいと思います。

ただ骨折から2年目の日を全く痛みもなく、レントゲンに異常もなく迎えられた事を持って、とりあえず(ほぼ)完治としてまとめたいと思います。

 

前回の続きですが、2018年2月のMRIは全くの異常なしでした。この時から本当に治るかなと思えてきました。2018年5月のレントゲンも順調な回復が見られましたが、先生からもう人工股関節の心配はなさそうですねとのコメントが得られたのは、その後の2018年9月のレントゲンでした。今回で完全に骨がついたようなので、本当に骨折から再形成まで2年かかったことになります。