it's getting better man (会計士試験の思い出)

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今日から元号が変わり、令和になったわけだが、個人的に平成で大きな出来事だった会計士試験について書きたい。

僕は大学2年生の時に、大学にうまく馴染めず、虚無な日々を過ごしていた事が嫌になり、会計士試験の勉強をなんとなく始めた。周りで受けている人が多かったというのも大きな理由で、それほど会計や資格に興味があったわけでもなかった。そこで、最初の2、3年はあまり勉強にも身が入らず、何となく予備校に通って勉強していたものの、箸にも棒にもかからない成績であっという間に2回目の試験が終わった。

その時点で同級生は既に社会に出ており、流石にこれはまずいという事で真剣に勉強し始めた。そもそも最初の2回の時は勉強方法からしてなっちゃいなかった。

成績は急上昇し、3回目の試験の時は、最後の模試では上位10%に入れた。でもまさかの短答式試験という足切り試験で落ちてしまった。 

最後の挑戦

この時は本当に失意のどん底だった。母親から毎日のようにもう諦めて就活しろとせっつかれ、一応、就活情報などもあさってみるが、全然やる気にならない。自分が一回も論文もうけずに撤退するのがどうしても納得できなかった。

家族会議が開かれ、うつむきながら受験を続けたい旨を伝える。
妹(当時某4大商社内定)には「あんたは一生うからないの!才能がないからっ!これ以上親に迷惑をかけるな」と罵られる。
母親には、とにかくもう受験を辞めてほしいと執拗に迫られる。
しかし、黙って聞いていた無口な親父が突然、
「お前は合格したいんやろ!?それがお前の夢なら俺は応援するっ。もう一回だけ、やってみろやっ」と吠えて顔をぐしゃぐしゃにして泣き出してしまった。いつのまにか僕も泣いてしまっていた・・・。

自分が元々言っていた予備校にはしばらくは恥ずかしくて行けず、大学の図書館や他の予備校を転々として勉強していた。家にはもちろんいれなかった。母親は納得がいかなかったようで、毎日のように第二新卒用のリクナビのプリントが置かれてあった。それはどんどん増えていった。現役で地元の国立に合格し、そこそこ順調だった息子の人生がいきなり転落した事に明らかに戸惑っていた。

合格発表後は自分より成績の悪かった人たちが次々と合格した悔しさや、自分のふがいなさから電気を消して眠ることができなくなってしまう。電気を消して眠るとネガティブな考えが次々と浮かんできて眠れなくなってしまうから。

それでも合格するには勉強するしかないので、試験の全範囲を2週間で1回転するようなスケジュールを立て、毎日忘れていない事を確認するなめに予備校に通った。学費は予備校の奨学生みたいな制度に申し込み、毎朝プリントなどを配ったり、予備校運営のお手伝いをする事でタダにしてもらった。

親からは有り難いことに少額の小遣いをもらっていたが、どうしても当時出たばかりのiPodが欲しかったので、昼飯は家から持ってきた白飯にふりかけをかけて食べて、お金を貯めて買った。日中はずっとiPodを聞いて現実逃避していた。

震えるような緊張感の中で短答式試験を受けたが、自己採点は微妙な結果だったものの、疑義問が全て自分に有利な回答結果となり、最終的には突破できた。

論文式試験は3日ある。1日目も2日目も出かける前の朝に、母親から今年落ちたら必ずやめて就職するようにと念を押された。苦手な簿記は散々な出来だったが、そもそも問題が激ムズで、他の科目の手応えは悪くなかった。

最終日は苦手な商法だった。出かけようとすると、母親にまた念を押された。最終日ぐらいは応援してくれよと静かに伝えたら、無言になった。

その時の情景とその場で流れてきた音楽が一体となって、それが強烈なイメージとして記憶に残っていることはないだろうか。

最後に、道を曲がって試験会場の大学が見えてくると、ちょうどiPodのシャッフル機能でoasisのit's getting better man! が流れてきた。

Oasis - It's Getting Better (Man!!) - YouTube

「俺たちの歌っている歌は間違っているかもしれないし、俺たちの夢はすぐ消え去るかもしれない。でも、俺たちは段々と良くなっているんだ」という内容の歌だった。

よく聞いていた曲だ。この曲を聞くたびに、今まで苦しい思いをしてきたけど、俺の人生はここから良くなるんだ!と思いながら勉強をしていた。このタイミングでこの曲がシャッフルで流れてきたのは運命だと思えた。

苦手な商法はミスをしたものの、なんとか試験を無事に終え、合格する事ができた。

It's getting better man!

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今日5月1日から元号は令和になったわけだが、平成は必ずしも良いことばかりではなかった。大きな震災が二度もあり、そのうち一度は神戸にいた僕も巻き込まれ、通っていた中学は全壊した。自由や多様性を追求した結果、社会矛盾が噴出し、未婚化少子化が加速した。グローバル化で格差も広がった結果として、貧しい若者が増えた。この問題は解決の目処が立っていない。

個人的には、仕事も順調で、結婚もでき、子供二人に恵まれたが、後半は骨折したり、家族も病気をしたりで必ずしもいい事ばかりではなかった。

しかし、ジグザグしながらも、世の中は段々と良くなっていると思う。世の中はどんどん便利になり、文化資産へのアクセスは格段に容易になり、デメリットはあるものの、自分の生き方を個人が自分が選択できるようになった。AIの発達により、仕事を奪われるかもという不安はあるものの、これをうまく使えば、生産性が向上し、少子化に対応できるようになる可能性もある。令和は暗い時代になると予想している人も多いが、昭和の時もそんな人はたくさんいた。

昔の人たちは良くないことがあると、図の通り、天皇在位中でも改元をしたらしい。改元には、凶事のリセット機能があり、明日を良くしたいという願いが込められている。

僕は、令和は平成より絶対に良い時代になると確信している。少なくともそう信じないと、そうならないと思っている。僕たちはgetting better manで、やり方次第で、令和をもっと良い時代にできるポテンシャルを持っていると思うのだ。