城崎の伝説のストリップ 「炎」に行った

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僕の友人がミクシィ日記で書いていたエントリーで、その当時から大好きなので、皆さんにも紹介します。

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タイトル「シモい日記です。男だけ見たらいいんじゃないかな」

こないだの日記の補足をしたくなった。

が、上品になりえない話なので
女性の皆さんは戻るボタンを連打したらいいんじゃないかな。

城崎の、「ホムラ」について。

正式名称「ヌード炎」。城崎にある、絶滅寸前のストリップである。

城崎に行った人はわかるだろうが、あの街にストリップなんて見当たらない。
が、ある。あるのだ。1軒。
細い細い細い小さな路地に、赤い看板で『ヌード 炎』と書いてある。

事の発端は、5年ほど前の話になる。 俺の先輩が、卒業旅行で城崎に行ったら 、同行していた数人が「とんでもない物を見た」というのだ。

それは、自分の母親ほどの年齢のオバハンが一糸纏わぬ姿になり、さして色気もない踊りを踊るストリップだというのだ。
また、とんでもない零細経営らしく、受付のおばちゃんがそのまま舞台に上がり脱いだらしい。
かつ、値段は1500円、そこらのちょっといいランチくらいの値段だというのだ。

な、なんだってー!!

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先輩に『・・・っていう店があるらしいで』と聞いた俺は またしょうもない嘘ついてからに、と思い、別の先輩と確認の為に城崎へと向かった。

ところが、案の定、さまよい歩いてもストリップなどない。

店の名前の「炎」だけは聞いていたので、街の住人に聞いてみた。
が、「ストリップどこですか」なんて死んでも聞きたくないので小芝居を交え「炎ってカラオケ屋、どこですか?いや、社員旅行なんですが部長が電話で『お前も来い』と言ってきまして・・・」
『あー、炎?あれはカラオケ屋やないんとちゃうかな?確か、○○らへんにあったような・・・そこら辺でまた聞いてごらん?』

こんな恥ずかしいやりとりは、そう何度もしたくないので 指示された辺りを念入りに探すが、やはりない。
みやげ物屋のおばちゃんが居るだけだ。

また別の人に聞いてみると
『ああ、炎?あの店は潰れたよ』
といわれた。

何てことだ、もうないのか・・・

そう思い、うなだれつつも「まぁ、存在自体は確認できたし、あながち嘘でもないのかな」と先輩と話つつ、「せっかくやし温泉入るか」と歩いていたら

『おかえり』

突如、さきほどウロついてたあたりでおばちゃんが話しかけてきた。
ホンマにいきなり話しかけてきたからビビッた。

『あんたらが探してるの、ウチの店やろ。炎や』
『私はな、もう長いことやってるからな、わかるんや。裸が見たいんやろ』

な、なんだってー!

地元の人間にまで「もう潰れた」と言わしめながらも、とんでもない洞察力でヘッドハンティングによる経営を行っていたのか!

先輩とおそるおそる肯定し、案内についていく。 そこは確かに先ほども探していた辺りだが、あまりに細い道だったので見ようともしてなかった。とてもではないが客商売をする立地ではない。

『一人、2千円やで』

ね、値上げしてるー!!

情報より500円高いだけだが、値上げ率は相当なものだ。
小さな芝居小屋のような建物に入り、席に座ると・・・

自分の母親のような歳のオバハンが突如として服を脱ぎはじめる。
驚愕だ。
とんでもない。
わかってもらえるだろうか。

インリンのような艶かしいハズの踊りを踊るが、オバハンの例にもれず、ぶよぶよと太った肉体はシワだらけ、正視できるものではない。
俺は爆笑してしまった。

だが、断っておくが、オバハンの事を笑ったのではない。俺はそこまで不謹慎ではない。 この状況で不謹慎もくそもないが。

俺は、先輩が嘘としか思えない情報、しかも店の名前だけなんていう乏しい情報を頼りに城崎まで来て しかも「無くなったんや」とどこか安心までしてた所に 突如、先輩の言が現実となった、その異次元ぶりがもう笑わずにはいられなかったのだ。

異次元だ。オバハンが、短い太い足を開いて、しかも開いた状態を維持できずにピクピクと小刻みに振動しながら、何やら棒を抜き差ししている。

隣の先輩ももう限界が来ているように見えた。
そこで、休憩になった。

先輩と、「もう出ようか」「もう迎撃しきれません」と相談したが・・・


ふと思い至った。
オバハンも、何も昔からオバハンだったわけではなかろう。
30年前は、ここの看板娘だったかもしれない。
結婚してるのか?子供はいるのか?もしかしたら、家族をこの道一筋で支えてきたのかもしれない。

そして今なお、こうして踊り続けるのだ。

先輩は、ハッとした顔をしていた。俺も頭をガーンと殴られたような気がした。

第2幕が始まって・・・またしてもオバハンが、正直、醜い肢体を晒す。

が・・・しかし、しかし・・・美しい。
オバハンの生き様が美しい。
オバハンの存在が、美しく見えた。俺も先輩も。もうスタンディングオベーションだ。
先輩と俺の二人っきりの客は、精一杯手を振り上げ、あらん限りの声でヒューヒューと囃し立てた。

オバハンの動きが一瞬止まった。こんな客、久しく居なかったのだろう。 オバハンの何かがプッツンしたのがわかる。

舞台の上で踊るどころかビョンビョンとジャンプしはじめ、ヒャッホーと奇声を上げはじめたのだ。
そしてクライマックスへ。バックミュージックは渡辺美里のMyRevolutionだった。

歌うことが何より好きな俺と先輩は肩を組んで大合唱した。
『わかり始めたマーイレボリューション!明日を乱すこーとさー! 誰かに伝えたーいよ、マイtears、マイdreams、いーまーすぐー!』

ここでオバハン、まさかの行動にでる。
突然、自分の○ン毛を抜いてこちらに投げつけながら「マ○毛ー!マ○毛ー!」と合いの手を入れだしたのだ。

合コンのイッキコールなんかの比ではない迫力だ。マ○毛を一身不乱に投げつけてくるオバハンと、大声で歌う。

夢を追いかけるーならー、たやすく泣いちゃだーめさー・・・・・

そうして、忘れられぬ夜が終わった。
二度と行くこともない。

が、わかる。おばちゃんは今もあそこでマイレボリューションしてるのだ。
たやすく泣いたりしないのだ。


赤い看板を見るたびに、誰かに伝えたくなる。

 

 

(追伸: なお「炎」は5年ほど前に潰れたそうです)