30代の大腿骨頸部骨折記録11〜ついに荷重開始〜
9月5日に6回目の診察を受けました。もう免荷歩行は4ヶ月を超えており、限界でした。
レントゲンを見たのですが、8月8日のレントゲンから何も変わっていません。
もう荷重をかけていかないとこれ以上はつかないと確信していました。O医師は少し笑って、ぼそっと言いました。
「免荷継続しますか」
僕は初めてO医師に逆らいました。
「先生、もう免荷して4ヶ月です。確かにここで荷重すればズレてくるかもしれない。でも、ここでダメなら、あと半年後に荷重したってダメだと思います。元々つかない骨だったんでしょう。僕はもう覚悟はできてます。この怪我はどこかでリスクを取らないと治らないと思います。これで荷重してダメなら諦めます。荷重させてください」
O医師は黙り込んでしまいました。レントゲンを見ながら、本当に2分程度考え込んでいたのです。
「確かに十分に時間は取ったんです。。一か八かやってみましょうか。わかりました。1/3荷重を開始しましょう。リハビリセンターに行って1/3荷重を練習してください。」
1/3荷重とは、体重の1/3まで左足に体重をかける歩行の事で、主につま先だけ地面につけながら歩行します。体重計を見ながら練習するのですが、1/3は思ったより体重をかけることができました。
これにより生活が格段に楽になり、嬉しくて仕方がありませんでした。体重をかけ始めた事により骨もつくだろうと思いました。
2週間後の9月19日、経過観察のため、また病院に行きました。ズレていないかどうか心配でしたが、足は全く痛くなっておらず、もしズレてたら痛みが出るはずだから、大丈夫だろうと信じてました。
診察室のドアを開けて、O医師を見ると、明らかに厳しい顔をしていました。4月19日のトラウマが蘇ってきました。心臓を鷲掴みにされたようで、ふわっと血の気が引き、倒れこみそうになりましたが、何とか椅子に座ることができました。
O医師が口を開きました。
「Mさん、これを見てください。残念ですが、ズレています。ズレてしまいました。」